「そこは、朝ちょっとだけ調子悪いって事にしてくれない…?」
私の手首を掴んで部屋を出ようとするのを、小さな抵抗にしかならないと思うけど足に力を入れて踏みとどまる。
「無理やりは不本意なんだけどごめんね?」
ごめんねの意味がすぐに分かる。
気づいた時には、私の足は宙に浮いていた。
「ちょ、アーサー!
お願いだから下ろして。」
「だから、ごめんね?」
ごめんねじゃないのよ!
アランや、ルイ、フロイドは背が高く、ジャックも決して高くはないが鍛えられているのがわかる。
それに比べて、ジェラルドやアーサーは細身のため油断した。
私の抵抗も効果がなく、あっという間に食事の間の手前まで来てしまう。
「着いたよルチア様。」
「着いたじゃなくて!」
「ここで逃げられちゃうのは悲しいから、このまま入るね?」



