ルミナス~双子の王女と7人の騎士団長~

「ごちそうさま。
お前、意外に料理上手いし優しいんだな。」


「勘違いしないで。
家の中で倒れられて悪化でもしたら、後味悪いでしょ。」


それに、熱出したのは私が原因でもあるから…。

騎士は鼻で笑う。 
 

「素直じゃねーな。」


「余計なお世話。
まだ熱が下がったわけじゃないんだから寝て。」


「添い寝してくれねーの?」


離れようとしたが、腕を引っ張られてベッドの端に座らせられる。


「ふざけないでくれる?
添い寝しろだなんて、あんたいくつなの?」


「あんたじゃねーよ。
アラン・クラーク。ルベライトの騎士団長だ。」


「団長…。
てことはルベライトの魔法石を手にしてるのね。」


「そうだ。
なぁ、ルチア。俺の名前呼べよ。」


彼は、さらに私の腕を引っ張り鼻先が触れるほどの距離だ。
逃がさないとでも言うように反対の手で、腰を抱く。


「なんで必要以上に呼ばないといけないの?
それに熱が下がったら、お別れなんだし。」


「いつまでもあんたじゃ嫌だから。
ルチアには名前で呼ばれてー。
それに、熱が下がっても俺はお前といたい。」


「それは王様の命令で私を城へ連れ戻すためでしょ?」


「それは間違いない。
騎士団長として王に逆らう権利はねーからな。

だがそれ以上にお前自身に興味が湧いた。」


「私にとってはいい迷惑なんだけど。」


「そーゆうところだ。
不自然なほど人を避けるところとか。」


「……。
わかった。呼ぶから。」