―バンッ―

「やめなさい!」


勢いよく扉が開くと同時に、何十年ぶりかの懐かしい声がした。


やっぱり来てくれた。


嬉しくて、もうこんなことではしゃぐほど子供でもないのに胸が高鳴る。


お父様に呼ばれたルチアを追いかけて、すぐにでも話せるように待ち構えていた。


その時は、胸が高鳴るどころか鷲掴みにされて苦しかった。


「要するに、私がレイの身代わりになり死ねと?」


「勉学を受けてないのに頭はきれるようだな。

その通り、レイの代わりになれ。」



……っ!


2人の話の内容は、デスラスト王国の手紙の件と、解決案。


その解決案は私を差し出すのではなく、ルチアを使うこと。


ルチア……。
お願いだから、今回だけは断って。