私は…何不自由なく過ごしてきた。

なぜなら、王女でもあり国を護るルミナスでもあるから。


それなのに、私は幸せと思ったことがない。

母と姉が城からいなくなり、父は家族として私を見ていない。


夜も、ここ最近熟睡した記憶もない。


ほぼ毎日嫌な夢を見る。


母と姉がいなくなってから数年が経った頃、母が亡くなった報せを受けた。


病により、永眠したことを。


それなのに夢に出てくるのは、あの日の悪夢。


国にとって大きな損害が与えられた日、そしてそこに母が倒れていて、私と同じくらいの少女つまりルチアが泣いている光景。


間違いなくあの光景は、あの日。


ずっと孤独で、夢を見る度に苦しくなる。


何も出来なかったと。


それでも今生きていけるのは、7人の騎士団長がいたからだ。


そんなある日、お父様から呼び出しがあった。


「どの騎士団長でもいい。
ルチアをすぐに連れ戻せ。」


どんな思惑があれ、私には関係のない事だと思った。