沢山の人に出会い、災いを齎すと言われてきた私を信じて色々な想いを託してくれた。
その想いを…繋がりを…無かったことになんてできない…っ!
「あんたがお母様を恨んでいても、亡くなる最後まであんたとこの王国を愛していた。
お母様が愛したこの国が私も大好きだから…
だから、あんた…いえ、お父様に反対されても絶対に引き下がりません」
何十年ぶりだろう…この人を父と呼んだのは。
父の目は潤んで、一筋の涙が頬を伝った。
「…ティアナの子でお前たちが生まれた時、可愛くて双子の言い伝えなんて信じることができなかった。
何があってもお前たちは2人で守ろうってティアナと約束した。
だが、些細な事でも不幸は起きそれを双子である姉に責任を押し付けた。
王国を守るトップとして、お前だけを守ることがどうしてもできなくなった。」
涙を拭いながら父は言葉を紡いでいく。
彼から話されるのは、私が聞こうとしなかった知らない真実。
「お前を恨み城を追放した時、ティアナは真っ先にルチアを庇い、一緒に消えていった。
仕方がない。国を守るためと言い聞かせたがティアナが死んだと報告を受けて絶望だった。
双子なんて生まれてなければこんなことにならなかったって。」
まだ国が安定していない時に、運悪く私たちは生まれてしまった。
私たちクリスタル家は“災いを齎す双子の姉”は呪いの言葉。
上層部は何かあれば、その言葉を口にし家族を崩壊させた。



