共に騎士団長として過ごした人をさすがに疑うはずがない。
その証拠に次の言葉が来ない。
このまま私の想いを…伝えていく。
「今のことを頭の片隅に入れてながら聞いて欲しい。
私は、自分がいなくなれば私のせいで傷つく人を守れると言い聞かせて人を避けてきた。
本当は自分が傷つくのが嫌で逃げていただけなのに。
でも、もう逃げるのはやめる。
しっかり前を見て進んでいく。
1000年もの間続いた光と闇の戦いがやっと終焉を迎えた。
私が人々の前に立ち、皆と一緒にこれからのクリスタル王国を見守っていきたい。
…この先、前へ進めば今以上の苦しみや痛みが伴うかもしれない。
それでも、今の私には終わらせたくないものがあるから。」
今までずっと私を逸らしてきた視線が、やっと合う。
私の想いに動いてくれてる。
災いを齎さない、この国を守れると信じてくれた騎士団長達。
デスラスト王国で囚われていた時、私なら戦いを止められると信じ協力してくれた闇の騎士達。
先の戦いで私を信じて一緒に戦ってくれた光の騎士達。
そして、私を最初から最後まで信じてくれたお母様とレイ。



