アランの処刑を知った私は、無我夢中で城まで走り続けた。


無事でいて欲しい。


そう願いながら……。


城に着いた私は、昔の頃のように正面から入ろうとする。


「待て。
一般市民が直接ここを通ることは許されない。

要件と名を言え。」


「ルチアよ。
ルチア・クリスタル。」


そうだった。
前の時はまだ追放される前だ。


もう何年も経ってる。

私も大人。分かるはずがないか。


「ルチア様!?」


「わかったならここを早く通しなさい。急いでるの!!」