「この1ヶ月あなたもここへ戻ってきて、騎士団長と接してきた。
だけど、ただ一緒に過ごしたわけじゃない。
あなたは、誰が国王に相応しいか決めてるのでしょう?」
「レイの言う通り、もし私が選ぶのだとしたら誰かずっと考えてた。
正直今もまだ1人に絞れてない。」
彼らの日常を覗いて、一緒に過ごして、今この国は何をすべきか全員が考えていた。
民の意見を尊重する者、新しい魔力を編み出す者、魔法が苦手な人に武術を教える者、先を見据えて行動する者、敵国だった民を救い今も共にしている者。
誰が国王となっても必ずこの王国をより良いものしてくれる。
それでも、もし私がルミナスなら。
私の私情もいれていいのなら、思い浮かぶのは1人。
「私は、周りがどうとかではなくてあなた自身の答えを聞きたい。
あなたはどうしたいか。」
「私は…ルミナスとして国を守りたい。
災いを齎す双子の姉として噂が広まった以上、多くの批判が殺到して最悪ボイコットなんてこともあるかもしれない。
それでも前へ立ちたい。」
私は、周りを不幸にするからと今まで全部を諦め捨ててきた。
光を手にした今、困っている人がいれば手を差し伸べられる。
もう私は…1人じゃないから。



