ルミナス~双子の王女と7人の騎士団長~

「うん、さっき彼から聞いた。
だからあなただけでも生きててくれて良かった。
私は何も知らずに…何もできず…2人の家族を亡くしてるところだったから。」




「後でゆっくり聞くからもう話さないで。」




「もういいよ…自分の命の終わりくらい自分で分かる。
ありがとうルチア。
残ってる魔力は確実に救える命に使って。」




「うるさい!いや!
あんたも助けるし、皆も見捨てない」




「…」



諦めるレイに怒っているはずなのに、感情とは逆で涙が止まらなくてそれをレイが微笑んだ。


私の手に彼女の手が添えられてたはずなのに、スルッと地面へ落ちた。



「…レイ?嘘だよね?
やめてよ!」


「…」


「ねえ!起きてよ!」



「…」



「ルミナスはあんたなの!
私は何もできない…あんたにしか出来ないの!
お願いだから目を開けて…っ」



治癒の手は止めずに問いかけても返事がなく、眠ったまま。


眠っているだけ。
止血して起こせば目を開けてくれる。
それ以上は考えたくない…ヤダ…



冷静ではいられなかった私の肩にポンと誰かが手を置く。



その手はアランで、ゆっくりと首を2回横に振った。