中を見ると、団長以外は真面目であることがわかった。




やっぱりおかしいのはあの厄介犯だけ。





「赤髪で片耳にピアスが3つ付いているのがケイです。」




「ありがとう。

聞きたいことは、厄介…じゃなくてジェラルドのことなの。

あんたも彼のことについて知りたいでしょ?
一緒について来て。」




「ルチア様、良いのですか?」




「あんただからいいの。


自分の事でも忙しくしているのに、他の団長や騎士達、使用人にまで気を遣っているあんただから。」




今日は彼の事をずっと見ていた。



他の騎士団長達は、国内を重視していたり、外交に目を向けていたり、
戦う事よりもその前で頭脳で勝負する人、
急な戦いに備えられるように常に最新の技術を考えている人を今まで見てきた。




彼は、騎士団長全員のやるべき事を頭に入れ、影で支えている。



常に困っている人を見つけては助けている。




だから彼にも、厄介犯の事を知っていてほしい。




「お心遣い感謝致します。

では、参りましょう。」