ルミナス～双子の王女と7人の騎士団長～

｢その真実は誰も信じない。
あんたもこの国で生まれたなら知ってるでしょ。ルミナス双子の言い伝えを。｣



｢あぁ、゛双子の姉は災いを齎す゛か？｣



その先言わなくてもわかる。
彼はそんな噂を信じていない。

闇にいる私を必ず救おうとする。
今度こそ突き放さないと。


｢そう。私は人を不幸にする。
さっきのも私が原因なの。庇われる理由なんてない。｣



｢だが、お前は魔法石を使って助けた。｣



｢私があの場にいなかったらこの出来事自体なかった。皆が言っていたでしょ？
あんたも私に関わって被害にあったの忘れたの？｣



｢·····？｣



｢あんた熱出したじゃない。
騎士団長は並外れた体力があるはず。
それなのに気を失うほど高い熱が出た。｣



そこまで言うと、彼は口を固く結ぶ。
多分、納得してない部分と心当たりがあるのが半々ってところだ。



｢やっぱりもう無理。
私を城に連れ帰るのは諦めて。

゛誰にだって心があってそれぞれ色んな色の光を宿してる。その光を守っていくのが魔法石を手にした7人の騎士゛でしょ？

私は周りを不幸にする。そんな私があんたと一緒にいていい訳がない。｣


｢·····っ！！｣



彼は、諦めるどころか一瞬驚きを見せて更に瞳に光を宿す。