いつのまにか空から雨雲は消え、太陽が顔を出す。


 直後、バスが姿を見せて私は乗り込んだ。

 空席に腰をおろして座り、タオルを手に持って顔に近づける。


「先輩の臭いがする……」


 ちょっと汗臭いけど、スポーツマンらしくていい。

 なんて思いながら、バスの窓越しに空を見上げて私は思った。



 気まぐれの夕立に翻弄され、びしょ濡れになった私はバス停で雨宿り。


 残暑が残る二学期の初日。

 古傷を痛めながら雨の中を全力で走った。


 バス停で先輩と偶然の出会も、必然であってほしい。

 雨が降り続く中、私から告白できなかったけど……

 最後は先輩から、熱い思いを聞かされて嬉しかった。


 雷神さまが繋ぎ合わせてくれた出会いに感謝しつつ、先輩からの返事を待つことに。


 でも、私はどれだけ待てばいいのかな。



 不安な気持ちを胸に封印して、私は学校生活を過ごしていく……