「パンツまでびしょ濡れだぜ、まいったな……」


 横に腰を下ろした男の子は、私が聞き取れないような小声で言ったかもしれない……

 でも、ハッキリ聞こえましたから!

 女子高へ通学する私には、刺激が強すぎるかもですよ。


「もし良かったら、キミが首にかけてるタオル借りていいかな?」


「えっ、これをですか!」


「ダメだったらいいけど……」


 足下から手の指先まで、私の全身に付着した水滴を拭き取ったタオルを、この人が使う……

 色々と大丈夫なのでしょうか? ちょっと心配……

 いや、嬉しいけど!そうじゃなくて! なんだかドキドキする……


「ちょっと濡れてますけど、どうぞ……」


 よけいなことは言わず、首に掛けていたタオルを笑顔で差し出す。


「サンキュー」


 濡れた髪を、ゴシゴシと大胆に拭き取り始める。

 その様子を、無言で見つめる私……

 髪を拭き終えると、顔にタオルを押し当てた。


 ―― 次の瞬間



「あっ、この臭い……」