「では、ご挨拶に行くとしよう」 いつも通りの日常だった。 天宮に行くまでの道で宦官や侍女にまでもひそひそと話しをされ、母の謀反のことで罪人の第二皇子といわれた。 そのたびに兎月と紅蓮という二人の友を思い出した。 静かに生きていければいい。多くは望まない。 そうすれば疑心暗鬼の父上も私を警戒する義母上も安心なさるだろう。 天宮につくと珍しく氷輪が先に謁見していた。 「父上、義母上にご挨拶を」 「兄上!」 挨拶をすると氷輪が私にすがりついてきた。