天空の姫Ⅰ ~二人の皇子に愛された娘~



まずいまずいまずい。


皇太子に、はた迷惑とか名前知らないとか言ってしまったわ。


「あーー!!!」


頭を抱えて叫ぶ私に明明が引き気味に「大丈夫ですか」と聞いてくる。


「大丈夫じゃないわよお!侍女になりたくないのに~!!」

「でも寂しいです。明朝には魔宮の侍女になるのですから。次はいつ会えることやら」

「そうよ。明明とも兄上とも父上とも会えなくなってしまうわ。」


魔宮から真の姿で飛んだら目立つだろうし、そもそも休みがあるのだろうか。村には帰ることが出来るのだろうか。


「明明ー!!」


急に不安になった私を明明が抱きしめてくれる。