まずいまずいまずい。
皇太子に、はた迷惑とか名前知らないとか言ってしまったわ。
「あーー!!!」
頭を抱えて叫ぶ私に明明が引き気味に「大丈夫ですか」と聞いてくる。
「大丈夫じゃないわよお!侍女になりたくないのに~!!」
「でも寂しいです。明朝には魔宮の侍女になるのですから。次はいつ会えることやら」
「そうよ。明明とも兄上とも父上とも会えなくなってしまうわ。」
魔宮から真の姿で飛んだら目立つだろうし、そもそも休みがあるのだろうか。村には帰ることが出来るのだろうか。
「明明ー!!」
急に不安になった私を明明が抱きしめてくれる。


