「構わぬ!捕らえよ!!」 ひと際、目立つ女子が衛兵に命令した。 どうしよう!父上もこの数を術で抑えるのも限界だ。 私も術を使おうとしたその時、声がした。 「やめよ!!」 衛兵が一斉に動きを止めた。ふらつく父を支え声のした方を見ると。 「…あなたは…」 「また、あったな白蘭」 虹彩樹の庭で会った男が立っていた。 「ですが紅蓮様!刺客やもしれません」 「玲心(れいしん)いつから朱雀軍はそなたのものになったのだ。朱雀軍は我が軍だ。わきまえよ」 玲心と呼ばれた女子が黙り込む。