調度品の並ぶ廊下を抜けて、大広間へつく。宦官の一人が一族の名を呼び中に入る。
さすが魔宮の宴ね。規模が全然違う。
大広間には大道がありその両隣では身分の高い一族の長や娘たちなどが、宴に参加し談笑していた。
まっすぐ進むと一段高くなったところに特に身分が高そうな娘が一人座っていた。
さらに上に席があり確認しようとすると明明に止められる。
「何やってるんですか。許しなく顔をあげれば死罪ですよ。」
小声で教えてくれる明明に礼を言い、首を垂れる。
「八咫烏一族。魔后陛下と皇太子殿下に真の姿を見せよ。」
宦官の声が聞こえる。あ、じゃあこの上にいるのが魔后と皇太子ってわけね。
そういえば真の姿を見せるのは刺客の侵入防止等の理由があるそうだ。


