天空の姫Ⅰ ~二人の皇子に愛された娘~

-----------------------------------------------------


「あれ?」


さっきまで虹彩樹の庭にいたのに、気づいたら明明の隣にいた。


「お嬢様、なかなか帰ってこないから心配したんですよ」


夢…だったの?


そう思ったが足元にある虹彩の花びらをみて現実だったことを知る。


もしかして術で送ってくれたのかしら?


「八咫烏一族よ!向かうぞ!」


前方から父上の声がしてハッとした。


「お嬢様、大丈夫ですか?」


「ええ、大丈夫よ。わがまま皇太子の顔をしっかり見なくちゃ」