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八咫烏一族が死んだ次の日から私は紅蓮を待った。


きっと玲心の勘違いよね?私の事を恥ずべき存在などと紅蓮が思うわけないわよね?


でも来てはくれなかった。


その数日はとても長く感じ私はどんどん具合が悪くなった。


頭が痛い。思考が鈍る。


床につき苦しむ私の元に来てくれたのは紅蓮でも雪梨様でも無く玲心だった。


私は玲心に紅蓮のことをたくさん聞いた。


「紅蓮は何をしているの?」

「政務を行っているわ」

「…そう。他のみんなは?」

「特に変わらず仕事しているわ」


八咫烏一族の悲劇は私にとっては地獄絵図だったけれど、みんなにとっては何ともないようね。

実の母だと思っていた雪梨様も、あれだけ心を許した香林や朱雀も、私のことを好きだと言った紅蓮にも裏切られた気がした。