それからは白蘭と共にいた。 政務もせずに寝食を共にした。 そんな二人を牢から出た雪梨も香林も朱雀も邪魔せず遠くから見守った。 数日、何も話さなかった白蘭がやっと口を開いた。 それは前々から思っていた香炉の匂いが強いので消そうとした時だった。 「消さないで」 「…白蘭」 「消さないで、紅蓮」 声が聞けて嬉しく思ったが、頑なに消そうとしないのが不思議だった。 こんな強い香は普段好まないはずだ、それに嗅いだことのない匂いだ。