「何を言う。私にも許婚がいたが、今は別の女子を娶ろうとしているぞ。しかも相手は元侍女だ。」
「さすが、紅蓮だな」
「好きなら素直に伝えろ。もし婚姻を阻まれれば無理やりにも奪え。そなたにはその法術がついているのだからな」
月影の肩をたたいてやると月影も決心したというように強くうなずいた。
「それにしても遅いな」
「女子の支度は時間がかかるものだ」
はやく白蘭を紹介したいのになかなか来ない。
おおかた迷子にでもなっているのだろう。
迎えにいってやるか。
そう思った矢先、声が聞こえた。
「紅蓮ー?」
「ここだ!」


