「ほう」
すぐに天后が反応した。
「月影に許婚と?」
「そうです!母上!」
「いいえ。義母上…私は」
「よいでしょう」
「え?」
天后が許可したことに当の月影も天帝も驚いた。
「確かにいままで月影に許婚がいないのは私の配慮が足りなかったのやもしれん。許しておくれ月影」
義母上が私に微笑みかける。
いつも冷たくあたったあの義母上が、私に笑いかけてくださったのだ。
「い、いいえ。義母上」
幼い頃から実の母が罪人であり母の一族は皆、反逆者として死罪になった。
実の父親である天帝は私にさえ疑心暗鬼になり常に謀反を疑った。
義母上は実の息子だけを可愛がり、氷輪は私の孤独に気づかない。
常に愛に飢えていた。
それをついに自分も得られるのだと、月影は密かに喜んだ。
だが、すぐにその思いは裏切られた。


