それが見事に裏切られてしまった形になったのだ。


キユナはまるで自慢するように、ケンタの腕に自分の腕を絡めた。


2人共照れくさそうにしているけれど人目を気にする気はさなそうだ。


「告白って、どんな風だったの?」


まだ信じられずにいるアリスが2人へ質問をする。


もし嘘をついているなら、話がかみあわなくなるはずだ。


しかし、そんなことにはならなかった。


「授業が終わるのを待って、俺がキユナを呼び出したんだ」


「教室の前で待っていたの」


「それから誰もいない校舎裏に移動して、告白した」


「その時足元に花が咲いてて、それを摘んでくれたの」


キユナはそう言うとカバンから栞を取り出した。


それは花をラミネートした手作りだ。


透明なラミメート用紙の中にはピンク色の小さな花が入っている。


それを見せられたアリスは奥歯を噛み締めた。


どうやらこの2人は嘘なんてついていないみたいだ。


本当に付き合っているんだ。


そう思うと悔しくてうつむいてしまう。