その日の夕方になると制服姿のユナがお見舞いに来てくれた。


痛み止めの点滴を行っていなかったシュンヤはユナが来たことをしっかりと認識することができた。


「今日はどうしたの? なんだか嬉しそうな顔をしてるけど」


ユナはクラスのみんなと一緒に作ったという折り鶴を病室に飾りつけながら、シュンヤに聞いた。


「あぁ。みんなが折り鶴を作ってくれたからかな」


色とりどりの折り鶴が天井からぶら下がり、シュンヤはクラスメートたちの顔を思い出していた。


みんな自分のことを思って千羽も折り鶴を折ってくれたんだ。


そう思うと本当に嬉しかった。


早く元気になって退院して、またサッカーをしたい。


「それだけ?」


ユナが丸椅子に座ったので、シュンヤは少しだけベッドの上半身部分を起こして話しやすい体制になった。


「実はすごいことが起こったんだ」


シュンヤはユナの手を握りしめて言う。


その目はキラキラと輝いて、希望に満ちていた。


「すごいこと?」


首をかしげるユナにシュンヤは頷く。