第4診察室のドアを開けたシュンヤはその場に立ち尽くした。


診察室の中もシュンヤがさっき思い浮かべた通りの場所だった。


右手に簡易ベッド。


ベッドを隠すようにクリーム色のカーテンがかかっていて、左手には大きなデスクと椅子とパソコン。


灰色のデスクの上には誰かのカルテが置かれていた。


シュンヤはそっとデスクに近づいてカルテを覗き見してみた。


しかし、それは真っ白でなにも書かれていない。


シュンヤがそこまでのことを想像しなかったからだ。


診察室の中には誰の気配もなく、先生や看護師はいないようだ。


じゃあ、死神は……?


そう考えた次の瞬間、奥の水色のカーテンがぶわりと膨らんだ。


窓が開いているんだろうか?


でも俺はそんなことまで想像しなかったけど。


そう思ったと同時に膨らんだカーテンの向こう側から、黒いマントを羽織った人物が突如現れたのだ。