闇夜ヨルの恐怖記録 3

なぜか頭が割れてしまいそうなくらいに痛くなる。


「ごめんねアリス。本当はこんなことしたくないんだけれど、クローンがどうしても言うことを聞かない場合の対処法なんだって。自分がクローンだっていうことを思い出させて、購入者の連絡に反応するようにするの」


なにを言われているのかわからない。


わからないのに、冷静にならないと発狂してしまいそうになる。


「ねぇ答えてアリス? あなたの家はどこ? 学校はどこ? 他の友だちは誰?」


家は……わからない。


思い出そうとしても真っ白な映像しか出てこない。


学校も同じだ。


友達も。


自分はなにも覚えていない。


途端に恐怖が湧き上がってきてキユナに抱きついた。


ガタガタと体が震えてしまう。


「すごく性能がいいクローンができるとね、自分のことを本物の人間だと思ってしまうんだって。さっきの彼は自分が消えることを恐れていなかったけれど、あなたは怖がるようになってしまった」