闇夜ヨルの恐怖記録 3

入院中に不安になる時間も、もしかしたらシュンヤよりも多いのかもしれないのだ。


「それなら、面白い話を教えてやるよ」


トランプを片付け終えたユウキが目を輝かせてそう言った。


ユウキがこういう表情をするときはたいてい恐い話しや、都市伝説を披露するときだ。


シュンヤは思わずベッドに座った状態で後ずさりをした。


個室で眠らないといけないシュンヤにとって、寝る前の恐い話しはできれば避けたいことだった。


けれどそんなことを言えばチキンだと笑われてしまうので、黙っていた。


ユウキはそれを聞く体制ができたものだと受け取った。


「病院には第4診察室がないって知ってるか?」


声を低くしたユウキに質問されてシュンヤは頷いた。


「知ってる。4っていう数字が不吉だからだろ?」


診察室だけでなく、4階がなくて突然5階になったり、4のつく病室がないというのもよく知られたことだった。


最初から病室などに数字を使っていない病院もある。


くまさんの部屋とか、あひるさんの部屋とか、そういった具合に。