闇夜ヨルの恐怖記録 3

「また来たのか」


シュンヤはさっきまで泣いていたことをさとられないように、呆れ声で言った。


「いいだろ。どうせお互いに暇なんだから」


ユウキはそう言うとシュンヤのベッドの隅っこに座った。


ベッドマットが沈んでシュンヤの体が少し斜めになるけれど、ユウキはおかまいなしだ。


「トランプ持ってきたんだ。スピードしようぜ」


「いいよ」


ユウキはシュンヤが1人で寂しい時によくここへ来る。


まるでシュンヤの気持ちを見て言るかのように感じられて、少し不思議だ。


2人はベッドの上にトランプを並べて少しの間遊んだ。


けれど2人でできるトランプゲームは限られていて、すぐに飽きてしまう。


「ちぇっ。また俺の負けか」


ユウキは舌打ちをしてトランプを片付けはじめた。


「ユウキは弱いのにスピードばかりやりたがるよな」


「だって、2人でやって面白いトランプゲームってそんなにないだろ」


仏頂面で答えるユウキにシュンヤは頷く。


つい『今度クラスメートたちが来ているときに遊ぶか』と言いそうになって、言葉を飲み込む。


ユウキの友人たちも月に何度か来てくれているようだけれど、シュンヤほど頻繁じゃない。