──ぱああ、と。キラキラ輝く瞳。
あまりにも無垢なそれに鞠も嬉しそうで。スマホでカメラを起動して録画開始すれば、ぴろんと軽い音が鳴る。それを聞いてから、彼女の前に屈み込んだ。
「遅くなってごめんな、蒔」
イブもクリスマスも、もう過ぎてる。
それでもクリスマスプレゼントはやっぱり嬉しいようで、綺麗にラッピングされた袋を受け取った蒔は、本当に嬉しそうな顔で袋を見つめてる。
「ふふっ。蒔、開けていいって」
「ほんとっ?」
子どもなんだから受け取ったらすぐにでも開けたっていいのに、鞠にそう言われるまでは絶対に開けなかった蒔。
そういうところも含めて、やっぱりお利口な癖が抜けないらしい。
袋だってガサツに開けたりしないし。
ラッピングを解いた蒔は、その中身を袋から引っ張り出して、さらに目を輝かせた。
「ねこちゃん!」
クリスマスプレゼントは、猫のぬいぐるみ。
父親からは蒔に似合う服を何着もプレゼントされたらしいし、鞠は最近料理を手伝ってくれるから、という理由で、蒔が使えるような子ども向けの調理器具をプレゼントしたらしい。
もっと玩具なんかをプレゼントしてもよかったけど。
蒔は絵を描くのが好きなくらいで、同年代の子がハマるような玩具にもあまり興味が無いと鞠が言っていた。
でも女の子らしい、かわいいものが好きなのは鞠と同じみたいだ。
結構デカめのをプレゼントしたから、すこし小柄な蒔が抱えると、頑張って抱き上げているように見える。……すげー可愛くね?
「きょーちゃん、ありがとっ」
「ん」
満面の笑みでお礼を言ってくれる蒔。
そんな表情を見せてくれるなら、なんとなく残しておこうと録画しといてよかった。



