「ずっとかわいいな」



「っ、な、」



かあっと、顔が赤くなる。

そう思ってしまった時点で、わたしの負けなんだろう。抵抗する間もなく、ベッドの上へと逆もどり。……まあ、抵抗するつもりもないんだけど。



「優しくしてやりてーけど無理かもな」



「っ、なんでそういう、」



「ずっと触りたいの我慢してたんだよ」



っ、ちょっと甘すぎじゃないかしら……!?

すでに恥ずかしくなってどうしようもないのに、いつから?なんて、余計なことを考えてしまったせいで脳まで高い糖度に侵略されてしまう。




「恭っ、」



「うるせー」



恥ずかしさを抑えられなくてつい名前を呼ぶわたしを、その一言で制して。

呼吸まで奪うような深いくちづけに、思考が霞む。それとは裏腹に、優しく絡んだ指。もらったばかりの指輪が煌めくのを見て、自然と口角が上がった。



何度だって、うれしくなる。

恭がずっと一緒にいようとしてくれていることにも、こうやって触れたいと思ってくれていることにも。



「んっ、」



まだ温まりきらずにひんやり冷えた空気が、肌に触れて。

寒いはずなのに、恭の手がそれをなぞるように伝うたび、自分の体温が上がっていくような気がする。



言いたいことは、沢山あるけれど。

今はこのしあわせに身を委ねていたくて、そっとまぶたを閉じた。