「大丈夫か?」
つらい時。
不安な時。
いつだってそばに来て、優大は聞いてくれた。
ある年の、秋のはじめ。
行きつけのカフェでひとり、お茶をしていた私、田所真希はその時、口にしていたココアラテを吹き出しそうになった。
「本当だって!優大に似てるんだって!もはや優大って感じだし。いや、優大以外の何者でもないよ!」
後ろの席に座っている女子高生達が、キャーキャー言っている。
どうやら中央に座っている一見ギャルふうな感じの女の子の彼氏が、「シー・ファンキーズ」の優大に似ているらしい。
……彼女いわく、「優大以外の何者でもない」そうだが。
「えー!?似てないし!!」
他の女の子達は、冷たく言い放った。
……ま、そうだろうね。
何も知らない私だけど、他の女の子達の意見に賛同する。