中に通してくれたのは、三好くんの意思じゃない。
部外者の女がここにいること。間違っても歓迎はされてない。
「京町が女の子を入れるなんて、普段なら絶対ありえないからね」
かなり……警戒されてる。
「絶っ対に、ありえないんですか」
「そう。でもチャンるなっていう例外が今現れたでしょ。そこで考えられるのは2つ」
闇に慣れてきた目が、2本の指の輪郭を捉える。
ごくりと息を呑んで続きを待つ。
「チャンるなのスパイ説と、京町の実験説」
「!? スパイ、」
予想外の回答に素っ頓狂な声がでた。
「断じてそんなことないんですけど、どうやったら疑いが晴れますか……」
「今すぐその着ぐるみ剥いで、オレの気の済むまでナカを確かめさせてくれるなら」
「きぐるみをはぐ……? えっとー、つまり、」
「冗談だよ。チャンるな、ほんとうに脱ぎそうで怖いね」
くすりと笑う気配。



