「私が正直に言わなかったら、どうしてたの……？」

「おれの気が済むまでいたぶって遊んでたかな」


「いたぶる……って。具体的に、どこをどうやってどんなふうにするの？」

「興味持つとこおかしいよ、あんた」


「だって気になるから……。一歩間違えてたら自分が辿る運命だったんだし」



さすがにこの世から退場させられる、なんてことはないだろうけど
お説教で済むような、なまぬるいものだとも思えない。


黒土くんは冗談めかした話し方をするのに、言葉の端々には得体の知れない、ぞくりと冷たいなにかが散りばめられてる。
それは確かな威力を秘めていて、気づかないうちに心の奥に恐怖を植え付けてくるんだ。



「んで？　るなこはどんなのを想像したの」

「うーんと、俗に言うゴウモン的な」

「拷ごう問もんにもいっぱい種類があるけど。るなこはどれに興味があるー？
ちなみにおれの得意分野は……――」