「まー、REDの幹部はみんな異端と言えば異端なんだけど。黒土くんに関しては手に負えないギャンブラーって、裏ではめっちゃ有名なんだよね」

「んえ~~ギャンブラーって」


あの、賭け事をする人のことだよね。

お金を賭けてゲームをするやつ。



「“黒土絢人”。日本のギャンブル界では知らない人いないらしいよ」



最後にそんな情報を教えてもらって、お昼休みは残り5分弱に。

お財布を持って購買へと駆ける。


ほとんど売れてしまって、あんぱんばかりが残ったカゴの中。


あんこ好きだし、食べれればなんでもいいと思って100 円玉を渡したら、購買のおねーさんが
「もう誰も来ないから」
と言って、あんぱんをもう1つおまけしてくれた。


「わあい、ありがとうございます!」

嬉しい気分で教室に戻りかけたとき、ふと、奥にある保健室の扉が目に入った。


黒土くんまだ寝てるのかな?