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「転校生ちゃん、生きてた~よかった!」


4時間目の授業中だと思って、気の重いまま教室の扉を開けたけれど、そこに先生の姿はなく。

代わりに、扉付近にいた男子生徒が立ち上がって声をかけてくれた。



「いきなり“あの人”に連れてかれるから、どうしたことかと思ってさ~無事?」

「えと、あ、無事……といえば無事なんだけど」



手を出されそうになったけど、あれは本気じゃなかったし……。



「ていうか、いま授業中じゃ……」

「自習になったんだよ。それより、マジで災難だったね。怖かったでしょ」

「怖……?」

くは、なかったよ。びっくりしたけど。


私が首を傾げている間にも、相手は興奮したように話を続ける。



「黒土君は幹部の中でも特に異質だって言われてるし……。もーみんな転校生ちゃんのこと心配してたよ」

「カンブ……?イシツ?」