「や、やっぱりいないかな……？ そもそも生徒の名前とか急に言われてもわかんないよね、ごめん……」
「──いや、いるいる。京町怜悧って男」
「っ！ ほ、ほんと……っ？」
よかった……っ。
これで会えるかもしれない！
怜悧くん、どんな男の子になってるんだろう。
私のこと、覚えてくれてるかな？会えたら、話したいことがいっぱいある……！
馬鹿みたいに浮かれた。
だけど、その直後。
「怜悧が相手なら諦な。ムリだよ」
容赦のないセリフが放たれ、ぐさりと突き刺さる。
意地悪とか、からかうために言ってるんじゃないって、沈んだ目を見てわかった。
「るなこだからってわけじゃない。怜悧に関しては誰が相手でも望みなんかないよ」
「……それは、どうして」
「会えばわかる」
そう短く言い放つ。
