「はあ……泣き虫は相変わらずか」

「うう……ぐすっ、昔から治せって、怜悧くんに言われてたけど、」

「いーよもう。お前すぐ泣くけど、やさしーし、強いし」



優しく背中を撫でられる。

そういうところが好きって、言われてるみたいだと思った。



「泣いててもいいから、早く立て。帰るぞ」

「っ、うん」


「今日は、お前の部屋で寝るのもいいな」

「……私の部屋?」




立ち上がった怜悧くんが私の肩を抱く。


私の部屋……!

それって、どういう……。



赤面して固まる私のせい耳元で、とびきり甘い声が囁いた。



「我慢しすぎて疲れた、月」





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RED KINGDOM
-檻の中、甘く激しく。-

End.