いったい何事!?

振り向けば、道路いっぱいに広がったバイクたちがこちらに近づいてくるではないか。


ひえ、怖すぎる……!!



彼らのヘルメットは、首の後ろにぶら下がっているだけで役目を果たしていないし、そもそも被(かぶ)っていない人だっている。


遠目から見た感じみんな若そう。
まさか同じ高校だったりしないよね……?



そそくさと道路脇に避けて、彼らが通り過ぎるのを待った。

――はず、だったのに。



「ちょっと、そこの子!」

まさか声をかけられたのが自分だとも思わず、うつむき加減でじっと立っていたところ。



「あんただよ、あんた! 聞こえねえーのか!」


真横でバイクが停止して、肩を乱暴に掴まれた。