ぎゅっと抱きついて顔をすりすり。


「ね、いいよね!? 怜悧クン」

「そうだな。本人の意志に任せる」


どきっと胸が鳴る。

よ、よかった……!



「やっぱり怜悧くんも絢人くんのこと信じてたんだね」

「昨日、絢人はわざと急所を外して俺を刺してる。黒帝の狙いは俺を潰すことだったのに」



そうだったんだ……。

安心した途端、涙がぼろぼろ溢れてくる。