「ああ、よかったねふたりとも……っつ、ゲホッゲホッ」

「――! だ、大丈夫ですか、」

「大丈夫じゃない、あ゛ー黒帝、空気が悪すぎる……」



ええっ、血の匂いがするからかな……。

あと若干、たばこの匂いも……。



「こんなところに、絢人くんを置いておけないよねえ、やっぱり。ね、怜悧」



みんなより少し離れたところに立っていた絢人くんは、七原さんの言葉にびくりと肩を震わせた。



「ごめん。どんな制裁でも受ける。

……今まで仲間にしてくれてありがとう」



深く頭を下げる絢人くんを、みんなはしばらく無言で見つめていた。