「怜悧くんを襲ったとき、おれたちは5人で、あっちはひとりだった。おれの顔を見て……怒ると思ったのに……」


その直後

一筋の涙が、その頬を伝うのを見た。



「おれが刺したとき、なんて言ったと思う? “つらかっただろ”だってさ……。怜悧くんは気づいてたんだ、気づいてたのに、ずっと、おれを仲間にしてくれてた……」



私もじわりと涙がにじむ。

そうだったんだ……。



「おれが黒帝の人間だったのは本当。赤帝には情報を流すために入った。……結果、ばかみたいに絆されて、ずっと、どっちの味方にもつけないままだった」