「ハハ、どんどん動きが鈍くなってるぜ、京町。傷口が開いたんだろ、もう動かねえ方がいいんじゃねーの?」 怪我をしてガードがゆるくなっている部分を集中的に狙う松葉。 上手く避けながらも、傷口が開いて痛むのか、怜悧くんは片腕を抱え込んだ。 好機だ、というように松葉の瞳がギラリと光る。 心臓がぎゅっと縮まった感覚がした。 振り上げられた腕が落ちてくるまでの様子が、 やけにゆっくり再生された。