安心させるように私の頭を優しく撫でると、怜悧くんはまっすぐ松葉のところへ向かって行った。 先に殴りかかった松葉の手を、さらりとかわして、相手のバランスを崩す。 ただ、相手も弱いわけでは決してないようで、すぐに体勢を立て直すと、いったん身を引いて構えをつくる。 両者ともに一瞬の隙も見せず激しい攻め合いが続く中、 私は息をするのも忘れて、目の前の光景を見つめるしかなく──。