「そんな女のことなんか、もうどうでもいいだろ。お前は黒帝の人間だ」 「その子だけはだめだ。るなこは、おれの──」 「絢人! 何回も言わせるな」 松葉千広がゆっくりと立ち上がる。 絢人くんの前に松葉が立ちふさがったかと思えば、次の瞬間。 「っぐ……は、」 鋭い蹴りを入れられた絢人くんがその場に倒れ込む。 あ……。 頭が真っ白になった。 息が……上手くできない。