「るなこ!!」 絢人くんが叫んだのと ――ガンッ、と。 やけに荒々しい音が聞こえたのはほぼ同時だった。 周りにいた人達が静まり返る。 部屋の奥。 黒いソファに座って、テーブルに長い脚を投げ出した人物がひとり……。 「絢人」その人に名前を呼ばれた絢人くんは、びくりと肩を震わせる。 聞かなくたってわかった。 あの人が黒帝のKING ――松葉千広だって。