「……京町くん?」


玄関を覗きに行こうと足を踏み出したのと


──どん ……って、鈍い──人が、倒れるみたいな音がしたのは、

ほぼ同時だった。



「れ……怜悧くん、?」


力なく横たわった体。

頭が真っ白になる。

な、に……どうしたらいいの、どうしよう。


手にも足にも力が入らないまま、やっとのことでそばにしゃがみ込む。

白いシャツに付いていたのは……血?

肩のところから滲んだ赤が徐々に広がっていく。



「けが……怪我してるの……?」


ただの喧嘩で肩から、こんなに血が出ることって、あるの……?

止血しなきゃ……なにか、布とか……っ。