ううう、うれしい……!

勇気出してよかった。
これも絢人くんのおかげだ……!



ーー


終礼で起立、気をつけ、礼の「礼」をするやいなや、私はカバンを持って幹部寮まで猛ダッシュした。


なぜなら、怜悧くんが帰って来る前にお風呂に入らなきゃいけないから……!


灯りがなくてもQUEENの部屋で過ごすことはできる。

でも、お風呂だけはKINGの部屋にしかないんだもん。鉢合わせしないように、さっさと借りて、髪を乾かして、QUEENの部屋でひっそり過ごすの。


今日は朝から怜悧くん不在で、忙しいみたいだし……
まだ帰ってこないよね……?


怜悧くんが帰ってきたらどんな顔をして、どんな態度をとろうかと、頭の中はそればっかり。

シャワーを浴びていても、常に玄関のほうに聞き耳を立てて、気が気じゃない。



「いいお湯だった~」

なんてゆったりする余裕もなく、体を拭いて、ささっと部屋着に着替える。