「もしかしてズボンまでいっちゃって……」
「…………」
「ますよね、ゴメンナサイ……」
はあ~なんてこった。
どうするのが正解かわかんないよ。
すると、直後。がたりと音を立てて黒土くんが立ち上がった。
そして、前の席の女の子に「ねえ、」と声をかける。
「転校生とおれ、ちょっと抜けるから。もし先生になんか聞かれたらテキトウに説明しといて」
話しかけられた女の子が顔を真っ赤に染めて、コクコクと機械みたいに頷く一方で。
当然のように教室を出て行こうとする黒土くんに、私はあ然とするしかなく。
「ねー、るなこ。なにしてんの早く来なよ、そのタオル持ってさあ」
え……。るな、こ……?
「私、“るなこ” じゃなくて、“るな” ……」
「知ってる知ってる。るなこは愛称」
かわいーでしょー、と微塵も思ってなさそうな棒読みのセリフを口にしながら廊下へ出て行ってしまった。
「…………」
「ますよね、ゴメンナサイ……」
はあ~なんてこった。
どうするのが正解かわかんないよ。
すると、直後。がたりと音を立てて黒土くんが立ち上がった。
そして、前の席の女の子に「ねえ、」と声をかける。
「転校生とおれ、ちょっと抜けるから。もし先生になんか聞かれたらテキトウに説明しといて」
話しかけられた女の子が顔を真っ赤に染めて、コクコクと機械みたいに頷く一方で。
当然のように教室を出て行こうとする黒土くんに、私はあ然とするしかなく。
「ねー、るなこ。なにしてんの早く来なよ、そのタオル持ってさあ」
え……。るな、こ……?
「私、“るなこ” じゃなくて、“るな” ……」
「知ってる知ってる。るなこは愛称」
かわいーでしょー、と微塵も思ってなさそうな棒読みのセリフを口にしながら廊下へ出て行ってしまった。