「そんでさー! BLACKのKINGがほんとにおっかなくて、悪の使いだと思うんだよねっ。ああいうやつって一生人を愛せないと思うんだよねっ、松葉千広って名前なんだけど!!」
巫くんの怒りは止まることを知らない。
BLACK KINGDOM のKING……。
まつば、ちひろ……。
頭の中で復唱して、今度こそ席を立つ。
危ない、授業遅れちゃう……! これ以上サボるのは本当にだめだ。
「るなこ、友達作るの頑張ってね」
「あ、う、うん……頑張る」
「そうそう。おれは激しい女が好きって言っておいてよ。
……あの、お団子2つのっけた髪の子にさ」
「っ!」
私があの子に、絢人くんのタイプを聞かれたこと知ってだんだ……!
「あ、ありがとう絢人くん! 激しい女の子って……どんな子かイマイチよくわかんないけど」
「そのまんまの意味だよ。おれは無難に生きてる女は嫌いなのー。じゃあよろしくー」
クラスの女の子たちと話すきっかけをくれた。
なんだかんだで優しいよね。タイミングが来たら大事に使わせてもらおう……。