「へー、るなこやるじゃん。おれ、るなこはもっとバカだと思ってた」
運命の数学の時間。
自分で解いたわけじゃないから、やっぱりわかりませんでしたって言おうかとも思った。
でも、せっかく怜悧くんが残してくれた優しさをなかったことにするのがいやで……結果、先生に褒められたのはいいものの。
「あれは教えてもらった答えだから……絢人くんの言うとおり、私バカだと思う。自力で大問5なんて解けないよ」
「ふうん。でも褒められたんだからいいでしょー。なんでそんなしんきくさい顔してんの、こっちまでテンション下がる」
うっとうしそうに言い放つ絢人くん。
私、しんきくさい顔してたんだ……。
「なに、やっぱ友達いないから落ち込んでんの」
違うけど……まあ、そういうことにしておこう。
「うん、そんな感じかなあ」
あーそ。って。興味なさげに頬杖をついて、絢人くんは窓の外を見る。



